笹幸恵

沖縄 慰霊の日

笹幸恵

日々の出来事
2021年 6月 23日
6月23日は、沖縄の慰霊の日。
沖縄戦が終結した日のように捉える向きもあるが、
正しくはこの日、牛島満軍司令官と長勇参謀長が自決し、
「組織的戦闘ができなくなった日」である。
(去年も一昨年も書いたような気がするけど)

沖縄戦はこの日を境に終わったわけではなく、
最前線で戦う兵士は軍司令官の自決を知らず、
組織の壊滅を知らず、
大隊が中隊、中隊が小隊の規模になっても
目の前にいる米軍と戦い続けた。

もっと言えば、他の戦域でも戦闘は続いていた。
たとえば沖縄のはるか南のブーゲンビル島は、
昭和20年6月の時点ですでに「忘れ去られた戦場」に
なっていた。
けれどこの島にいた将兵たちは、米軍に代わって
より積極的に日本軍を殲滅しようとする豪州軍を相手に、
じりじりと守備陣地を後退させつつも戦い続けていた。

報道されるただ一片の事実だけが、真実ではない。
それをすべて見通すことは困難だけれど、
少なくとも、視野を広げ、多面的に物事を見よう。
表に出ていることだけが事実ではない、
ときには何が報道されないか、ということのほうが、
真実に近づくために必要な視点だったりする。

そんなことを考える、沖縄慰霊の日、でした。