小林よしのり

パラリンピックは素晴らしかった

小林よしのり

日々の出来事
2021年 9月 5日

パラリンピックは苦手だ。どうこらえても涙があふれだして
見えなくなる。
感動ポルノにしたくないから超クールに「ようするに水泳
とは手か足の一本だけが残っていれば可能だったんだな」
などと分析して見ているのに、自分の視界が曇って来る。

水泳の鈴木孝幸は仰天した。腕一本でもあんなに速く
泳ぐこと出来るのか!凄いという以外にない。

14歳の山田美幸は生まれつき両腕がなく、下肢にも障害
を抱え、小児喘息を克服するため水泳を始めたというが、
背泳ぎで「銀」を2個もとった。
この子のことは思い出すだけでも目頭が潤むから、わしも
諦めてはいけないと前向きになるしかない。

卓球の古川佳奈美が可愛いすぎて「おお、アイドルだ!」
と胸がときめいたが、「この子ズルい。五体満足じゃないか」
と思ったら、知的障害らしい。
いろんな分野があるようだ。口でラケットくわえて、俊敏に
はじき返す選手もいる。
あれでなぜ狙ったところに返せるのかといえば、首の捻り
方で方向調節ができるということになる。

パラリンピックに子供を招待して観客ありにするという方針
に反対した連中をわしはつくづく蔑む。差別者だと思う。
そのような差別者を育てぬためにも、観客席で子供に見せて、
「生きる」とは何なのかを、リアルに、リアルに考えさせる必要
がある。

一部、子供を入れたらしいが、全試合、観客席の半分は入れても

良かった。

開会式も良かった。
今夜は閉会式を見よう。