泉美木蘭

「かさじぞう」すごい。

泉美木蘭

2023年 1月 30日

夕食後に「よしりん御伽草子」を開いて、
「かさじぞう」を読んだら、

笠地蔵たちが感動して泣くたびに、
超絶大爆笑してしまい、
咳が止まらなくなり、
しまいに喘息発作に見舞われて、
息ができなくなってヒジョーに危なかった。
「もう、いても立ってもいられない」って、
宇宙レベルのギャグだと思う!
面白すぎるよ。勘弁してよおー。

それでいて、最後まで読むと、これはいい話だなあと
しみじみ思えてきて、「大事に読み終えよう」という
気持ちになった。
なんだかんだと自分のパートナーにガミガミ言ったり、
鬱屈した感情を根に持ったりして、条件つけたり、
損得勘定だけで判断したりするような人が
多い世の中で、
こんなにも豊かな心のままで生きていられる夫婦は、
たしかに「人間じゃないーっ!」のかも……。
そして、その夫婦にも、どこかの誰かが……というのが、
また感動。

すごいなー。
「ももたろさん」は、私にとっては、
快楽地獄というおぞましい呪いの香りを愉快に
怖がらせてくれる、江戸川乱歩を思わせるような
ぞわぞわ来る人間奇譚だったけど、
「かさじぞう」は、爆笑させられながら、
不思議ななつかしさのある、

それでいてこのお話を感じられるのは、
自分が世の中に揉まれたからだろうなあと思える
味わいのある物語だった。

・・・トカ、しっとりまとめた後に、
もう1回「かさじぞう」のページをめくっても、
お地蔵さんたちの号泣顔のところで、
またもや超絶大爆笑してしまって、
喘息発作誘発させられるんだから、参ったわ!