時浦兼(トッキー)

神功皇后を祀る神社が多い理由

時浦兼(トッキー)

2026年3月19日 14:15

いま、手元に『神功皇后発掘』(叢文社・1987)という本があるのですが、その巻末には「神功皇后を祀る全国神社一覧」という付録がついていて、北は北海道・小樽の住吉神社から、南は沖縄・那覇の八幡宮まで、なんと50ページ以上にわたって神社名がズラ~っと列挙されています。

↓こんな感じ

しかもこのリストに載っている愛知県の神社は19社と、ちぇぶさんが紹介している34社よりも少なく、知多市の「神功皇后社」も入っていないので、実際にはまだまだ多いようです。

実は、神功皇后は「八幡信仰」「住吉信仰」で祀られることが多いのです。
中でも「八幡神」は神功皇后の息子である応神天皇のことなので、多くの八幡神社は応神天皇と共に神功皇后も祀っています(「配祀」という)。

そして、八幡神社は非常に多い。
全国の神社は8万社ほどですが、一説によると八幡社は約4万社あるといい、それがかなりの割合で神功皇后も祀っているわけです。
その総数は正確に数えられたことはありませんが、数千には上ると推定されています。

また、三韓征伐の伝承によって海上守護とも結びつき、住吉大社系統など航海安全の神社でも祀られています。

神功皇后を主祭神にしている神社となると、全国で100社程度まで減るのですが、神功皇后は八幡信仰などと結びついて、民間において全国に爆発的に広がる信仰のネットワークを形成していたということにこそ注目すべきでしょう。

ちなみに神武天皇はこのような幅広い信仰を形成しえなかったため、「配祀」の神社でも数百社規模に留まるようです。

そんな全国民的な信仰の的だった神功皇后の存在が忘れられかけているなんて、絶対におかしい!
やっぱり『神功皇后論』は爆発的に売れなければならないし、それによって本来の日本の姿を誰もが思い出すようにしなければいけません!

なお、神功皇后の聖地巡礼ガイドブックとしては、『神功皇后の謎を解く《伝承地探訪録》』(河村哲夫、原書房)があります。どうやら絶版でお高くなってるようですが、『神功皇后は実在した:その向こうに見える邪馬台国』というタイトルでKindleに入っているようなので、興味のある方はどうぞ。