泉美木蘭

新しいブログに書いてみるなり & 坂東玉三郎の話

泉美木蘭

日々の出来事
2025年 12月 22日

 このブログを書いているのは、12月22日の午前1時前。
 新しいサイト「小林よしのり全宇宙」オープン前の、関係者のみの試験運用段階なので、うまく投稿できるのかどうかわからないけど、ためしに書いてみます。

 活力みなぎるイエローの宇宙、エネルギーある感じ!
 クリックするたびに、見るものがたくさん詰まっていて(「著作」のページだけでもものすごい量)、「おぼっちゃまくん」「ゴーマニズム宣言」「ゴー宣道場・公論イベント」などがすべて一つに集まっていて、すごいなあ。

 長い年月をかけて、膨張しつづけてきたよしりん先生の表現活動の宇宙には、まだまだこの先も花ひらいていく表現の芽・可能性がつまっていて、常に「新しい形」を生み出そうとしながら、未来へ向かっていく強いエネルギーを、エンジン全開でうねらせているんだと思う。
 私もがんばるぞ!

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 ブログの仕様に慣れるために、練習がてら続けて書いてみるけれど、先日、「よしりんバンド」横浜ライブで上京した際に、歌舞伎座で坂東玉三郎を観てきた。

 1つめの演目は、有名な「切られ与三郎」(♪死んだはずだよお富さん~ by春日八郎)。
 玉三郎の、男のあしらいに慣れた女ぶりのうまさと、市川染五郎の意地っ張りな男の色気とに魅了された。

 2つめは、玉三郎が演出も手掛けている新作歌舞伎「火の鳥」。
 これが、現代音楽とデジタルの映像表現、歌舞伎役者の演技、そして、歌舞伎座の舞台装置とをすべてミックスさせてしまった新しさで、びっくりしてしまった。

 幕が開くと、舞台には、黄金の宮殿に黄金の玉座がしつらえられている。
 登場する役者は、日本の歌舞伎と、オペラ「アイーダ」のような異国情緒を織り交ぜた不思議な衣装をまとっていて、「いつの時代の、どこの国だかわからないけれど、果てしなく昔むかしの物語」という世界観がぶわっと広がっていた。

 火の鳥を捕まえにゆく若者の冒険シーンでは、舞台の前面に紗の幕を下ろし、そこに水墨画と写真の中間のような不思議な映像を投影。春夏秋冬、風雨晴陰の風景が表現されていく。
 その映像の奥には、ゆっくりと回転するまわり舞台の上で、市川染五郎と市川團子がかわるがわる感情や情景を表現してみせている。
 ここに現代的なピアノ音楽がかぶさって、幻想的で本当に美しかった。

 玉三郎扮する火の鳥は、炎のフレアのような動きをする真っ赤な衣装のダンサーたちを携えて派手に登場。
 なんだか20代の時に観て感激した、美輪明宏の舞台「黒蜥蜴」を思い出させるものがあった。

 終盤では、この火の鳥が、しゃべるしゃべるしゃべるしゃべる。野田秀樹の芝居なのかと思うくらいしゃべるのでちょっとびっくりした。
 ……けども、今は「お約束の空気」や「間」や「雰囲気」を表現しても、その意味が通じず、置いてけぼりになる世代の人もいるから、このぐらい言葉で説明したほうがよいのかもと思ったりもした。

 坂東玉三郎は、「LEDや蛍光灯で照らし出してしまうと、本当の色がわからなくなる」と言っていて、日常生活はなるべく日の光と電球、蝋燭の光で送っているらしい。
 そんな「陰影礼賛」を地で行く世界の人が、人生をかけて極めた古典で人々を楽しませつつ、なおかつ新しい技術をどんどん取り入れて、まったく新しい歌舞伎を生み出してしまっている。
 すごく刺激になった。