高森明勅

景気と幸福、亡き父の思い出(3)

高森明勅

2013年 1月 19日
私は「強い」父親を持った。

そのことが、私の何よりの幸福だ。

はっきりそう思う。

そして出来ることなら、私も我が父のように、
「強い」父親でありたいと、願っている。

父が亡くなったのは平成4年。

既に20年以上が経過した。

父の早い死は、家族を悲しませた。

今も時折、父の不在という現実に、淋しさを覚えることがある。

だが父の死は、家族の誰も不幸にしなかった。

亡き父は今も、年老いた母をはじめ、
私ら一族の幸福の源泉であることに何の変りもない。

亡くなって歳月を経ても、父のことを思い出すと、
勇気づけられ、励まされ、慰められる。

大丈夫なんだと自信が湧いてくる。

人生にとって、本当に大切な価値についても、
迷いが晴れていく。