高森明勅

民意は、やはり「脱原発」

高森明勅

2012年 12月 18日
今回の衆議院選挙で、
原発の維持や推進を唱えた政党はどこか。

12の政党の中で、
そうした主張を掲げたところは、皆無だった。

自民党だけは曖昧戦略。

それ以外は全て、多少の温度差はあっても、
原発(依存)から抜け出す方向性を打ち出した。

で、投票結果はどうだったか。

投票者のうち自民党比例区への投票は
わずか27、62%に過ぎない。

小選挙区でも43、01%だった。

ということは、小選挙区でも約57%、
比例区では4分の3近くの投票者が、
脱原発に支持を与えたことになる。

小選挙区に、脱原発を掲げる各政党が候補者を乱立させた為、
結果的に議席獲得の点で、
自民党に有利に働いたに過ぎない。

しかも、自民党への投票者の場合も、
公約自体が原発への姿勢を鮮明にしたものではなかったから、
全て原発維持や推進への支持と見る訳には、
もちろんいかない。

であれば、今回の選挙で示された民意は、
どう読み解くべきか。

やはり、大勢として脱原発に向かうものだった、
と言えるだろう。

議席数に惑わされて、投票行動の実態を見誤ってはならない。