高森明勅

自民党はいつまで公明党とくっついているのか?

高森明勅

2012年 12月 8日
自民党の安倍総裁は憲法改正、
国防軍創設など勇ましい公約を掲げている。

もちろん、大賛成だ。

だが、それが実現するのはいつの日か。

目の前の原発やTPPには態度を決められないのに、
ずっと先の目標をこれ見よがしに打ち出す。

そうしたやり方に、いかがわしさを感じない訳にはいかない。

政治の「覚悟」が問われる眼前の課題は全て、
巧みに回避されているのだ。

さらに、国防軍創設などと言いながら、
その方向性と、理念的にも政策的にも相容れないはずの、
公明党との連携を見直す気配が、微塵もないのは、
どういうことか。

考えてみると、安倍自民党の「タカ派」路線を
熱烈支持する人たちも、
公明党との提携を止めろとは、あまり言わない。

これも不思議だ。

公明党の支持母体の創価学会の票を分けて貰って当選してくる
自民党議員たちが、憲法改正なんて出来るのか。

自民党がどれだけ保守政党を気取っても、
原発依存ならぬ公明党依存を止めない限り、
政権に返り咲いても、まっとうな政策は出来るはずがない。

辛くても、一時は不利な立場に陥っても、
公明党と手を切って初めて、保守政党として鍛えられ、
成熟もしていくに違いない。

ここでも「覚悟」が問われているはずなのに、
安倍氏も、彼を支持する人々の多くも、
一向に覚悟を示そうとはしない。

ただ自民党の政権復帰だけが、
最終目標であるかのように。