切通理作

AKB論に希望を見た

切通理作

2012年 8月 24日

 

 小林さんから、結膜炎で留守中にブログよろしく頼むと言われたのですが、それからも小林さんは連日UPされています。

 秋の道場拡大版に対しても、AKBに対しても、大きな責任を背負われている小林さんの立場をお察しします。

 

 同時に、ちょっとホッとしています。

 道場ブログでは、小林さんがAKBの話題をする時、一番アクセス数が伸びるそうです。

 僕に留守を任されても、AKBの話題は書けませんからね。小林さんからは、総選挙の投票用にいっぱい買ったCDの一枚をもらいましたが。

 

 AKBに対しては、「あれはキャバクラだ」とか、「オタクが文化消費を支えている」とか、色んな事が言われていますが、肝心なのは、小林さん含め語る人がオタであることを隠さないことだと思います。

 

 僕は中学三年生の時、好きだったキャンディーズの解散に重なり、彼女たちがアイドルを卒業するとともに自分も中学卒業に合わせてアイドルを卒業しました。

 それ以後、ずっと操を立てているので、その後はおニャン子であろうとAKBであろうとのめり込んだ事はありません。

 しかしいまから振り返れば「まるで黄土色の歓声だ」「いいトシした男がいつまでもアイドルだなんて」「解散だのなんだの、結局売らんかなの戦略に踊らされやがって」などの外野の声を、どこかで自分は意識してしまっていたのかもしれません。

 

 朝日新聞で4月3日、濱野智史さんという人が、「文芸批評」と評して書いた『「総アンチ社会」に輝く希望』という原稿は、歴史に残る文章だと僕の中で勝手に認定しています。

 

 「好き」とか「嫌い」などの感情に距離を取り、とりすました文体で社会の中でのAKBの位置付けを語る・・・・・のではなく、明らかに熱狂的なファンが書いたという姿勢を隠さず、前田敦子を文中で「あっちゃん」とカッコ付きでなく呼び、「政治家よりも一人のアイドルのほうが心動かす『マジ』の演説を繰り広げてしまっているのである」と言い切ってしまうのが「カッコイイ」と思いました。

 

 「カッコイイ」とはつまり、爽快感を抱かせてくれたということです。

 

僕はAKBのファンではありませんが、この記事は切り取って部屋に貼ってあります。

この記事と同じ部屋にいることで、なんだか希望が湧いてきます。

 

むろん、この記事はAKBがいなければ書かれることはなかったのですから、やはりAKBはすごいと思います。

 

その濱野さんと宇野常寛さん、中森明夫さんとのニコニコ生中継でのAKB対談に小林さんが出席できなくなったのは、まことに残念に思っていました。

 けれども電話出演されるということなので、いまから楽しみです。

 

 このメンバーのAKBについての対談本が幻冬舎から出るのは、たしか、今日じゃなかったでしたっけ?