小林よしのり

首相の靖国参拝に対する米国の反応

小林よしのり

2014年3月30日 06:13


産経新聞に「実は多様な靖国参拝対応」という記事が

載っている。

古森義久は親米保守だが、安倍首相の靖国参拝に肯定的な

意見をアメリカで拾い集めているらしい。

そして米国の意見はオバマ政権の「失望」だけの一枚岩

ではないと言いたいのだ。

だがそんなことは当たり前である。

日本国内の意見も一枚岩ではないのだから。

 

特に知日派のアーミテージが首相の参拝を批判したという

報道には動揺していたらしく、あらためて本人に

問いただしたらしい。

アーミテージは日本の首相は参拝する権利があると思うと

言うのだが、最後にこう付け加える。

ただし首相の参拝が中国外交を利さないようには注意

すべきだ

この最後の言葉を古森は無視したいらしいが、

知日派米国人のリップサービスの部分だけを拡大解釈

しても意味はない。

 

果たして「中国外交を利さない首相の靖国参拝」とは

何なのか?

そこをアーミテージに突っ込んでほしかった。

たった一つあるのである。

中国が主張する「A級戦犯の分祀」だ。

古森はこれに賛成するのだろうか?

 

ブッシュ前政権の高官だったランディ・シュライバー

ように、中国の提起する歴史問題は、「日本を自国に服従

させ、米国から離反させ、国内向けの宣伝をも目的とする

政策なのだ。中国の博物館の歴史展示のひどさをみればよい

という意見には100%同意するが、このような意見が米国の

主流派にならないことには、意味がない。

意見が多様でも、主流派の考え方が重要なのだ。

 

将来的にも米国の財政赤字による国防費削減への流れと、

アフガン・イラク戦争の失敗によって生まれた厭戦気分が

回復する余地はまだない。

米国が世界の警察官たる役目を果たす日が来るだろうか?

むしろ中国がその役目を米国と二分しようという野心に

燃えている。

それを集団的自衛権の行使を決定しさえすれば、米国が

阻止してくれると一方的に片想いするのも、日本外交の

純粋無垢さを見るようで情けない限りだ。