高森明勅

舛添要一氏は「勝った」のか?

高森明勅

2014年 2月 10日

東京都知事選挙について、マスコミは舛添要一氏圧勝との報道一色。

だが、舛添氏は果たして「勝利」したのか?

というのは、
彼を支援した自民・公明の基礎票が約230万票と見られているからだ。

従って、この数字から更にどれだけ積み上げることが出来るかが、
舛添氏自身への支持を測る目安になるはずだった。

選挙関係者の間では250万票を超えるかどうかが、
舛添氏がイニシアチブを握る為の、
事実上の勝敗ラインと考えられていたようだ。

ところが、大雪の影響があったとはいえ、
基礎票すら大きく割り込み、
僅か210万票余りという予想外に低い得票数にとどまった。

これでは今後、舛添氏は自民・公明両党に頭が上がらないだろう。

「圧勝」なんてとんでもない、
というのが本人の偽らざる心境ではないか。

ちなみに今回の選挙結果から、
都民は「脱原発」
にノーの意思表示をした、
と早合点する向きがある。

だが勿論、そうではない。

改めて言うまでもなく、
舛添氏も「脱原発」を明言しているからだ。

細川候補などが「即ゼロ」を唱えていたのに対し、
「徐々にゼロ」との主張。

だから、有権者の圧倒的多数は
「脱原発」の候補者に投票したことになる。

原発推進派の田母
神氏の得票数と、
舛添・宇都宮・
細川氏らの合計得票数を比べると、
選挙で示された原発に対する民意の大まかな傾向を
知ることが出来
る(「即」ゼロ派と「徐々に」ゼロ派はほぼ拮抗)。