小林よしのり

脱原発は終わるのか?

小林よしのり

震災・原発問題
2014年 1月 17日

小泉純一郎は良かれ悪しかれ、
完全な個人主義だ。
集団に捉われて、個が揺らぐことはない。
細川も小泉も高齢だから、
もはや私利私欲が目的ではない。
「脱原発」を国家観として捉えて、
已むに已まれず最後の戦いに
踏み切ったと見るべきだ。
東京都から国家を変えることは
確かにできる。

問題は東京都民がもはや「脱原発」という
子孫を含めた国家観に興味をなくし、
現状追認主義に陥って、
近視眼的な利益にしか関心がなくなっている
可能性があることだ。

事故が起こったときだけ、
あわてふためいているが、
しょせん福島や東北のことなんて他人ごと、
待機児童や高齢化やインフラの方が
「私」の関心よ、となっているのなら、
もう「脱原発」は終わるだろう。

ガンガン原発を再稼働し、
新たな原発も増設し、
また大事故が起こるまでお休みだ。
子孫のリスクなんて関係ないというのが
本音なのかもしれない。