高森明勅

人質事件、識者のコメントから

高森明勅

2015年 2月 2日
最悪の結末を迎えたイスラム国人質事件。

識者のコメントからいくつか、断片的に引用させて戴く。

ISが人質をテロ行為に利用する可能性について、
政府はどこまで想定していたのか」
(日本赤十字看護大学教授・
元外交官、小池政行氏)

「『ISIL(イスラム国の別称)と闘う周辺各国への
支援を約束する』という表現は、
2人の人質がいることを考えれば
相手を挑発する可能性があり、
不用意だったかもしれない」
(同志社大学大学院教授、
内藤正典氏)

「『テロとの戦いに取り組む』とイスラエルのネタニヤフ首相と
並んで宣言し…『イスラム国』
と戦う国々を支援すると宣言した
安倍首相は発言のリスクをきちんと考えていたのか」
東京外語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授、黒木英充氏)

今回の事件が起きたのは安倍晋三首相の発言と関係があると思う」(トルコ・中東工科大学教授、フセイン・バージュ氏)

日本はヨルダンに、難民支援などの人道的資金援助をしている。
その分、ヨルダン政府は…軍事資金にまわすことができる」
ジャーナリスト、池上彰氏)

日本人を狙うと注目を集めるという実例となってしまった」
日本エネルギー経済研究所・中東研究センター長、田中浩一郎氏)

「これから海外の邦人保護は新たな段階に入る」
(外交評論家、
岡本行夫氏)

「この事件を機に、世界の武装組織が日本を意識し始めた」
公共政策調査会第1研究部長、板橋功氏)

全ては2003年の米ブッシュ政権のイラク攻撃から始まった。
少数派のスンニ派が多数派のシーア派を抑圧していた
フセイン政権
を倒せば、両派が殺し合うことは当然、
予測できたはずだ。
内戦が始まり、『イスラム国』の前身だった
過激派が組織されていった」
(前出、池上氏)