小林よしのり

小浜逸郎、次世代の党に見る反知性主義

小林よしのり

2014年 12月 7日


小浜逸郎はもう少しリベラルな人間だと思っていたが、

自称保守論壇で禄を食むようになったために、知性が劣化して、

在特会の「在日特権」デマに騙されるようになってしまった。

 

それは知識人だと思っていた人間が、実は痴識人だと判明した

だけのことだが、「正論」という雑誌は自民党の議員などに

影響があるので、結局、在特会のデマが権力にまで浸透して
しまうことになる。

 

さすがに在特会を擁護するのは世間的にまずいと考えていた

政治家までが、在特会のヘイトスピーチにも已むを得ない

理由があると考え出すのだ。

現に「次世代の党」は完全に在特会のデマに洗脳されて、

「在日特権」なるものがあると信じ込み、

公約にまでしている。

 

このようなデマを拡散させて恥じない流れ自体が、

日本社会の空気が、中道や保守でなく、右傾化しているという

論拠なのである。

「民族差別」や「排外主義」に政治家が呑み込まれるのは、

悪意のナショナリズムであって、保守の復権ではない。

 

こういう自称保守論客や、政治家や、ネトウヨに蔓延する

知性の劣化、反知性主義は、言論そのものの敗北を意味する。

宮台真司が「表現」と「表出」は違うという言い方で、見事に

分析しているが、自称保守派&ネトウヨは、理論による説得

という「表現」よりも、感情の「表出」に快感を覚える勢力に

堕してしまったのだ。

 

「差別したい」「差別の対象が欲しい」という感情は、昔から

存在するもので、自称保守派はこの差別心の「表出」に快感を

覚えているだけである。

 

「差別」の快感を堂々と主張できる空気は、ナチスドイツの

ようなホロコーストを生み出す温床になる。

こういうものは早く叩いておかないと、煙がくすぶってる段階

なら間に合うが、一旦炎が上がり始めると燎原の火のように

燃え盛って、止められなくなる。

ヨーロッパで起こったことが、日本では絶対起こらないとは

限らない。

「在日特権などない」という論証は、ブログで書くには

分量が多くなりすぎる。

火曜配信の『小林よしのりライジング』で書く。