高森明勅

銀座の備前焼「3人展」に行った

高森明勅

2014年 7月 6日

銀座のすずらん通りとみゆき通りが交差する辺りの
ミヤコビル2階
にある備前焼専門店、ギャラリー夢幻庵銀座店で、
若手の備前焼作家、馬場隆志・藤田昌宏・石田和也3氏の展示会
備前 3人展」が開かれている。

開催期間は7月4日〜16日(但し10日は休廊)。

以前、我が郷里、倉敷に帰った時に、
美観地区で馬場氏らの展示会が開かれていた。

その時の印象が鮮やかだったので、
会場の比較的近くに住んでいる
長男も呼び出して、見に行った。

備前焼は素朴さが魅力。

手触りは概ね少しざらついた感じで、見た目も華やかではない。

取り澄ました上品さや、清澄、優美な趣きとは、味わいが異なる。

シンプルで飾り気がない。

なのに決して粗野ではなく、渋味があって奥深い。

その不思議な美しさは、花器であれ、湯呑みや徳利であれ、
長く使っても飽きない。

むしろ、備前焼の真の良さは、長く使っている内に、
じわりと顕れて来る。

歳月と共に愛着が増すのだ。

馬場・石田両氏が在廊されているというので、5日を選んだ。

行ってみると、思った以上に多彩。

若手らしい斬新かつ個性的な作品も目につく。

馬場氏とは数年ぶり。

世代が近い長男が話し込んでいた。

聡明で快活な作家の話は興趣を惹く。

仕事が立て込んでいた長男を無理やり引っ張り出したが、
収穫はあったのではないか。

少なくとも、良質なリフレッシュにはなったはず。

と、我が儘オヤジは勝手に決め込んでいる。

そう言えば、話だけして何も買わないで帰ってしまった。

良いぐい呑みが、1万円程であったのだが。