高森明勅

安倍首相、いまだに私邸住まいの気楽さ

高森明勅

2014年 5月 28日

こんなところにこそ、その人間の覚悟と本気度が、
現れるのではないか。

スポットライトのあたる晴れ舞台で、
どんなに格好の良いことを言っても、
普段の心掛けのだらしなさが透けて見えれば、全てはぶち壊しだ。

「日本を取り戻す」「戦後レジームからの脱却」など、
いかにも保守系の人たちが喜びそうなキャチコピーを掲げるわが宰相。

就任以来1年半ほどになっても、
いまだにご自宅から官邸に「通勤」しておられる。

それで危機管理は大丈夫なのか、
と不安視する声が挙がって既に暫く経つ。

それでも、ご本人は全く意に介さない。

災害時に道路が遮断されても、
バイクの後ろに乗って駆けつけれはいいんだとか。

民主党の首相にも見られなかった、「異次元」の呑気さに驚く。

自分は危機管理そっちのけで、ぬくぬく自宅暮らしを続けながら、
自衛官を一層、危険に晒し、国民にも新たな覚悟を求める
集団的自衛権の行使容認を、
踏むべき手順もすっ飛ばして
進めようとする奇妙さ。

そのことに、本人もその周辺も、全く気付かないのだろうか。