高森明勅

下村大臣、手柄は上司、失敗は部下

高森明勅

2015年 7月 29日

テレビドラマによると、銀行業界には
「手柄は上司、失敗は部下」
という趣旨の言葉があるとか。

それが事実かどうかは知らない。

だが政界には、確かにそうした慣行があるようだ。

それを実感させたのが、
今回の新国立競技場の建設計画「白紙」
撤回に伴う担当局長の辞職。

「トカゲの尻尾切り」などと批判されている。

勿論、下村大臣の逃げ切りの為。

しかしここで、この件の最高責任者が、
自ら率先して責任を曖昧にしてしまうと、オリンピック成功に向け、
関係者の規律を正し、
士気を高めるのは困難になる。

下村氏をドラマの悪役のイメージに重ねる人は多いのではないか。

それでも、下村氏は大臣の地位に恋々とし、
安倍首相の“盟友”
だから、それが許されてしまうのか。

そうなると、残念ながら、
安倍政権への国民の評価はますます下がるに違いない。