小林よしのり

宇野常寛氏の言う「歴史修正主義」とは?

小林よしのり

政治・経済
2015年 7月 10日


「報道ステーション」に宇野常寛氏が出ていたが、

わしには何をしゃべっているのか理解できないのである。

安保法制を強引に成立させようとしている安倍政権に

対して批判的なようだが(それは良いのだが)、

その根拠に「この人たちは歴史修正主義者だから」と

何度も繰り返していた。

 

「歴史修正主義」とは具体的に何を指しているのだろう?

慰安婦の「強制連行」説を唱えた朝日新聞や左翼の方が

「歴史修正主義」なのか?

「強制連行」は吉田清治の創作で、事実はなかったと唱えた

産経新聞や保守系の方が「歴史修正主義」なのか?

 

あるいは朝鮮人「強制連行説」の場合は、強制連行があった

とする方と、なかったとする方の、どちらが「歴史修正主義」

なのか、全然わからない。

 

修正してはならない歴史の真実はこうだという意見を

宇野氏が持っているのなら、教えてほしい。

 

さらに宇野氏は、本当は中国の脅威に備えるべきだと思って

いるのだが、今の日本人は「歴史修正主義」やヘイトスピーチ

が跋扈する17歳の未熟な国民だから、安保法制は反対だと言う。

まったく訳が分からない。

 

本当に中国の覇権が日本の存立危機を脅かす緊急性があるのなら、

しかもその緊急性は、憲法改正する期間の余裕もないほどなら、

立憲主義を壊して、解釈改憲で乗り切ることも仕方がないだろう。

 

だがわしは、現在の中国の脅威が、立憲主義を破壊せねばならぬ

ほどの危機だとは思っていない!

ここが大事なところだ。

安倍晋三が目の前にいれば、ここを完全論破できるのだが。