小林よしのり

占領期を二つに分けてもしょうがない

小林よしのり

政治・経済
2015年 6月 13日


八木秀次が朝日新聞の記事中で、「戦後レジーム」とは

ポツダム体制のことで、7年間の占領期の前半のこと、

憲法と教育基本法がその象徴だと言っている。

 

後半はサンフランシスコ体制で、日本を反共の防波堤に

するために、講和条約と日米安保条約と自衛隊の創設に

繋がると勝手な分析をしている。

 

安倍首相の言う「戦後レジームからの脱却」とは、前半の

ポツダム体制からの脱却のことで、だから教育基本法を

見直し、憲法改正を訴えるのだと八木は言う。

 

そうは言っても、安倍首相はアメリカが怖くて、

ポツダム宣言の間違いを明確に否定することも出来ず、

主権回復記念日までやったくせに、アメリカに対して、

思想・言論の自由を主張できない。

野党と共に、安倍首相も、ポツダム体制の蟻地獄に引きずり

込まれてしまった。

 

さらに言うなら、日米安保条約もポツダム宣言の枠外の

ものでもなく、岸信介の安保改定もまた米国追従の強化に

過ぎないのだが、この国の自称保守派はどういうわけか、

岸信介神話を盲信していて、真実がなにも見えていない。

 

最高裁の砂川判決が岸信介政権下で画策されたものである

という事実すら知らないのか、見たくないのか、安倍政権

&自称保守の知性の劣化は果てしない。