小林よしのり

創作者の心理

小林よしのり

日々の出来事
2015年 5月 4日


今季のテレビ番組は何でこうも不調なんだろう?

間違いなく面白いのは「天皇の料理番」だけだ。

 

全部見てるわけじゃないが、あとはどれもこれも脚本が

つまらない。

視聴率が悪いのを俳優のせいにするのは間違いだ。

脚本がつまらなければ、俳優がどんなに頑張っても面白く

なるはずがない。

 

作品を創るのって本当に大変だ。

わしも創作者だからその苦労はよくわかっているので、

面白くない時は、何も言わず、何も触れずに、静かに

退散しようとする。

 

けれど、周囲が面と向かって面白くないと言い放っている

ときに、「俺は面白いけどな」と言ってくれた人のことは

忘れない。

 

だがお世辞言ってくれる人に甘えていたら、自分が地獄に

堕ちるだけだ。

自分にはとことん厳しくなければならない。

面白いと言ってくれたら嬉しいが、腹の底から信用しては

ならない。

自分で面白くて興奮しても、深夜に書いたラブレター

みたいなもので、実はみっともない駄作かもしれない。

 

だが油断しない、慢心しない、冷徹な心構えが出来ると、

何を描いても贔屓の引き倒しで、面白い面白いと言って

くれる人が、やっぱり貴重になる。