小林よしのり

水木しげるは漫画家として尊敬する

小林よしのり

芸能・文化
2015年 11月 30日


水木しげるが死去した。

子供のころ読んだ「墓場の鬼太郎」は衝撃だった。

「ゲゲゲの鬼太郎」になると毒が抜かれてポピュラーに

なったなと思った。

 

戦争体験を描く漫画も確かに凄かった。

ただしわしの感覚ではそれが「反戦イデオロギー」だから

ではない。

徹底的にニヒリズムの人だと分かるからだ。

国家への忠誠心などカケラも持ってない。

わしの親父がそんなタイプだった。

 

わしにとってはそれが当たり前だったので、むしろ強烈な

ナショナリズムを持つ男がいるということを、

数々の戦死者の遺書で知って驚いた。

「日本のいちばん長い日」で徹底抗戦を主張する軍人たち

の方が、わしには動揺を与える。

 

だが、わしの中にもニヒリズムはあるので、戦時中なら

水木しげるになったかもしれないし、あるいは七生報国に

なったかもしれない。

だが、七生報国の人がいなければ、国は永続しないのは

確かである。