小林よしのり

漫画道は完成しない

小林よしのり

日々の出来事
2015年 11月 22日


『大東亜論』のコンテを一旦描きあげた・・と思ったのだが、

昨夜、食事会から帰って来て、コンテを見直すと不満が
出てきて、深夜まであちこち描き直しを始めた。
今日はまだその続きをやっている。

 

今回、頭山満の重大な転機となる事件の布石を置いておかね

ばならず、そのためのストーリー作りに囚われて、キャラが

薄まっていたので、強化させる描き直しをしているのだ。

 

キャリアを何十年積んでも、作品づくりのテクニックが万全

になることはない。完成することはない。

一回一回が試行錯誤の連続で、何度も客観性を取り戻す作業

を繰り返さねばならない。

 

自分が楽しんで描いていても、そんなことはプロの条件では

ないし、読者が楽しむ要因にもならない。

楽しんで描いているからこそ、客観性を見失う罠に嵌って

しまう。

漫画道は完成しない。そこが艱難辛苦の道なのだが、多分、

誰も分かってくれないと思う。