小林よしのり

「甘えん坊将軍」を甘やかす老人の醜悪

小林よしのり

政治・経済
2015年 11月 10日


大学には勉強しに行くもんだと思っていた。

それも高校生までのように教師から詰め込まれる知識では

なくて、自力で勉強できるのが大学生の特権だと思っていた。

明確に「本を読む」という目的で大学に行ったので、講義すら

サボって自宅で本を読んでいた。

 

「人間とは何か?」「社会とは何か?」「歴史とは何か?」

「宇宙とは何か?」と興味が膨らみ、

「民主主義とは?社会主義とは?共産主義とは?」そういう

ことに興味を持ち始めるのが大学生だし、それを自力で勉強

できるのが、大学生の特権だと思っていた。

 

仏文学でサルトルの「嘔吐」を原文で読む授業を受けていたが、

面白いと思ったら文庫本を買って、さっさと日本語訳で読んで、

さらに実存主義に興味を持ち、ハイデッガーに興味を持ち、

メルロー=ポンティに興味を持ち、マルクス主義に興味を持ち、

フランス革命に興味を持ち、ルソーに興味を持ち・・という風に、

どんどん読まなきゃならない本が増えていった。

 

一方で日本文学も世界文学も読んでいたし、ブルーバックスで

相対性理論や量子力学や脳生理学も読んでいた。

 

それが大学生だと思っていたから、「民主主義とは何だ?」と

社会に訴える感覚が全く分からない。

「これだ!」なんて言ってる若者を見ると恥ずかしくなる。

そういう問いが生まれたら、ただちに本を読んで自力で学習する

のが大学生だと思っていたからだ。

高橋源一郎とシールズの本を読んでみたら、あまりに馬鹿で

顔から火が出るような恥ずかしさを覚えた。

同じ人間として恥ずかしすぎる。

 

わしが学生の頃は、疑問を教師に尋ねることもなかったし、

ネットなんてなかったから、書店を回って、本を探しまくり、

多くは文庫本で学んでいった。

文庫本を買うために、短期にカネが儲かる肉体労働のアルバイト

をして、ジーンズ一本を買うカネも惜しみ、穴だらけのジーンズで

冬を越すとしても、本を買うためだけにカネを使った。

オシャレなんかクソくらえである。

 

オシャレなデモ?「民主主義とは何だ?」

クソくらえだ!

甘ったれたクソガキどもに媚びを売る、老いても青い老人

どもも、クソっくらえだ!

どこまで「甘えん坊将軍」を甘やかすんだ!

滅びてしまえ!!