小林よしのり

またコンテの描きなおし

小林よしのり

日々の出来事
2016年 7月 9日


単行本『おぼっちゃまくん』の第一話コンテ、終わったと

思ったが、スタッフに見せたら、二名が「風刺」を政治的主張と

勘ちがいして怯むと言う。

 

こんなので怯んでいたら、「東大一直線」なんか、毎週ラストで、

勉強できない馬鹿は貧困に落ちろとか、シリアスなセリフで

締めていたんだから、わしの読者にはなれなかっただろう。

 

格差社会の中で、『おぼっちゃまくん』を描けば、どうしたって、

本来この作品が持っている構図が浮かび上がってくる。

ギャグ漫画の「風刺」に怯むなんて言ってたら、忌野清志郎が

「脱原発」歌ったら怯むと言ってるのと同じだ。

毒のない潔癖なギャグ漫画なんか描けない。

 

だが、しかし、そういう反応を示す読者がいることも事実で、

しかもスタッフ内に2名もいる。

それならば対策を考えなければならない。

もう一度、描きなおしをしよう。

ただし、風刺の部分はそのまま残す。

風刺を削らずに、毒を保ったまま、読後感を変える方法を思い

ついたのでやってみよう。

 

今日は髪がぼうぼうに伸びたので、美容院に行きたかったのだが、

時間が取れなくなった。

明日の「ゴー宣道場」は髪ぼうぼうのまま出る。