小林よしのり

介護殺人と家族尊重義務

小林よしのり

政治・経済
2016年 7月 6日


泉美さんがついに介護殺人の番組を見たか。

泉美さんにぜひ見た方がいいと知らせようと思ってたのだ。

 

すごかったなあ、介護殺人。

わしは、母を殺して8年間も刑務所に入らなければなら

なくなった男が言葉を発するたびに、「わかる、わかるぞ!」、

「なんも悪くない。あんたは何も悪くない。」、

「わしだって殺しただろう。」、

「いや、わしならとっくに介護なんか放り出して逃げたさ。」、

「あんたは真面目すぎる。真面目すぎるんだ!」、

「立派過ぎるんだよ―――!」、

「立派だから親を殺したんだってば―――――!」

と叫んでいた。

 

そしてやっぱり安楽死を許可する法律を作ってほしいと

思った。

自分で自分の首を絞めながら死を切望した妻は、とうとう

愛する夫に「確実に殺してね。」と頼む羽目になった。

夫が殺人者にならねばならぬのだ。

あんまりじゃないか!

安楽死さえ許可されれば、夫は妻を殺した罪の意識に苦しむ

必要などなかったのだ!

 

自民党の憲法草案には、「家族尊重義務」が入っている。

ふざけるな――――――!

現実を見ろ――――――――!