小林よしのり

年齢と時代と『おぼっちゃまくん』

小林よしのり

日々の出来事
2016年 5月 13日


『おぼっちゃまくん』のコンテを秘書みなぼんに読ませてきた。

最初から最後まで笑っていた。

昔より濃密で、テンポも良くなっていると言ってくれた。

 

夜に担当編集者に読ませる。

それから茶魔語をどこに入れるか考えねばならないので、

結局まだコンテは終わってない。

 

それにしても、60歳過ぎてパワフルなギャグ漫画が描けるとは

思わなかった。

『ゴーマニズム宣言』を描きだしてヒットしたとき、もうこれで

小林よしのりはギャグ漫画は描けないだろうと言われた。

 

わし自身も年齢的に、もう『おぼっちゃまくん』は不可能だと

思い込んでいたし、次はやなせたかしの「アンパンマン」の

ような、幼児向けのほのぼのユーモア漫画に転向しようと

考えていた。

 

だがその日はもっと先のようだ。

まだわしは30歳代の延長の活力で、『おぼっちゃまくん』が

描ける。

 

そして連載当時から30年経つと、時代が格差社会になり、

貧富の差が極端に拡大したため、「おぼっちゃまくん」と

「貧ぼっちゃま」がもっと信ぴょう性を帯びて動かせるように

なっていた。

全く不思議である。