小林よしのり

マーチン・スコセッシ「沈黙―サイレンス」が凄い

小林よしのり

芸能・文化
2017年1月28日 14:38


今日は一日、外に出ていたから、ブログ書く時間もなかった。

明日は「FLASH」に集中してコンテを完成させる。

 

マーティン・スコセッシの『沈黙―サイレンス―』という

映画がものすごく面白かった。

3時間弱もの時間を、一回も緊張感を途切れさせず、

食い入るように没入して見てしまった。

スコセッシの熟練した力量に感心した。

 

これをアカデミー賞の審査委員が冗長だと感じたというのが

全然分からない。よっぽど馬鹿な連中なのだろう。

 

「信仰」とは何なのかを、とことん突き詰めていくのだが、

「信仰心」と「踏み絵」と「拷問」と「棄教」、この素材が

これほど面白くなるとは。

 

窪塚洋介が「キチジロー」を実に上手く演じていて、

これこそが日本人の一神教の受容スタイルなのだろうと

納得させる、弱くて、滑稽で、哀れで、可笑しい人格なのだ。

 

そして、イッセー尾形の演技が凄すぎる。

知的で老獪な人格を滲み出させる演技が驚異的だ。

日本人の役者の存在感が際立ちすぎるから、アカデミー賞

を受賞できなかったのかもしれない。

 

しかし日本は一神教が根づかない泥沼の風土だというのが

よく分かるし、さぞや宣教師も虚しかったことだろう。

 

映画を見てあらためて思ったのだが、一神教を理解できない

日本人のコンプレックスが、天皇制を「男系ドグマ」に

嵌め込んだ新宗教にでっち上げる者たちを産んだのかも

しれない。

 

男系男子しか天皇にさせないという一派は、実は一神教に

憧れているのだ。

日本とは何かが分かってないのである。