小林よしのり

キネマ旬報の結果を見て

小林よしのり

日々の出来事
2017年1月17日 05:02


キネマ旬報で1位は「この世界の片隅に」で、

2位が「シン・ゴジラ」だという。

「君の名は。」は圏外だったらしい。

 

まさに、やっぱりなという評価である。

評論家は映画を「理屈」で見るのだ。

だが、少年少女や一般庶民は映画を「感覚」で見る。

 

評論家が好む映画には「言葉」や「理屈」がべったり

張り付いている。

だが、庶民が夢中になる映画は「無意識」で何かを

感じているのだが、それを言葉に昇華できない。

 

本当に重要なことは、少年少女の「無意識」が何を受容

しているのかという洞察だ。

大人は少年少女の「無意識」を分析できない。

それは、これからの世界を創造する未来人の「感覚」

だから仕方がないのだ。

 

「この世界の片隅に」は原作を読んでないから、映画と

どんな違いがあるのかが分からない。

だが、玉音放送の後の主人公の絶叫シーンで、評論家は

確実に「反戦平和」を確信して、安心して評価するのだ。

そういう左翼臭は気にいらない。

 

それでも戦時中の生活感を再現してくれた丁寧さは

面白かったので、総じて良質の映画だったなという

感想はある。

 

「シン・ゴジラ」は見てる最中から「理屈」と「言葉」が

溢れ出してきて、童心ではさっぱり見れなかった。

わしはハリウッドの「ゴジラ」や「キングコング」の方が

好きである。童心だけで見れるからだ。

 

本物の知性は少年少女の「無意識」に何が生まれているの

かを洞察できなければならない。

「君の名は。」には現代社会で最も重要なメッセージが

内包されているのだが、理屈好きな大人でさえ、それを

言語化できないほどに娯楽に徹していたから凄いのである。