小林よしのり

愛国者の「おきれいごと」

小林よしのり

日々の出来事
2016年 12月 7日


曽野綾子が産経新聞で「欧米の反『PC』潮流」を皮肉り、

「おきれいごと」に愛想尽かした民衆、という文章を

書いていて笑った。

 

ならば「保育園落ちた、日本死ね」だって、愛国者の

「おきれいごと」を破壊する本音ではないか!

 

保育園が見つからなければ働けない、働けなければ食って

いけない、追い詰められた子を持つ母の悲鳴が「日本死ね」

である。

 

言葉狩りすれば愛国心が育つわけではない。

「日本死ね」は下品だと「おきれいごと」を言ったところで

少子化は進む一方だ。

 

結局、愛国心があるのは「日本死ね」と絶叫する子育て中の

母親にあるのであって、「日本死ね」は許さぬという

「言葉狩り」する連中にはない。

 

曽野綾子も「日本死ね」を批判していたが、自称保守や政権は、

女性活躍社会と言ってみたり、専業主婦が伝統だと言ってみたり、

何が少子化を食い止める政策であり、言葉なのか、真面目に

考えてみたことがないのだろう。

 

「おきれいごと」はリベラルの専売特許でもない。

自称保守、自称愛国者の専売特許でもあることに気づけ!