高森明勅

秋篠宮殿下のお苛立ち

高森明勅

2016年 12月 6日

秋篠宮殿下のお誕生日に際しての記者会見で、以下のような
質問があった。

「皇族方の減少や高齢化が進むなか…皇室の現状や将来のあり方」
についてどう考えておられるか、と。

皇室自体の存続が危うくなる制度上の欠陥が長年、
放置され
続けて来た点に関わる質問だ。

これに対して
将来的にその時にいる、それから活動できる皇族ができる範囲で
公的な仕事を行っていくと
いうことになる」
とお答えになった。

当然と言えば当然のお答え。

しかし、
「国民が制度上の欠陥を放置したままでいる以上、
これまで通りの
活動を求められても無理」
とのお気持ちが滲んでいる。

そのことは
将来の皇室のあり方というのは、これ自体はやはり制度にも関わる…
ので、
私から将来の在り方ということについてお話をすることは控えた
」とおっしゃった事実からも、窺える。

つまり、「皇室の将来」については一切、ご回答なさらなかったのだ。

これは極力、全ての質問に誠実に答えようとされる殿下のご姿勢
からして、
逆にそれ自体が強いメッセージになっていると理解しな
ければなら
ない。

それは次のようなメッセージだろう。

皇室の将来は制度の在り方によって大きく決定される。

具体的には、今の制度がそのまま放置されたら
「皇族の減少や高齢化」
に歯止めはかからない。

やがては存続自体が不可能になりかねない。

しかし、その制度をどうするかは国政上の案件で、
政治をどう動かすかは専ら国民の責任(!)だよ、と。

はっきり殿下のお苛立ちを拝すべきだろう。