小林よしのり

漫画は衰退するのか?

小林よしのり

日々の出来事
2016年 10月 28日


読書週間らしいが、毎日新聞の調査では、書籍を読む人が

49%、読まない人が48%だ。

雑誌を読む人は52%、読まない人は47%。

驚くのは漫画を読む人が、たった24%、読まない人が74

になっていることだ。

漫画を読む人がこんなに減っていたとは!

 

なにしろ最も売れている少年ジャンプが現在200万部

ちょっとまで、部数が急減しているというのだから呆れる。

近いうちにわしが「東大一直線」を連載していた頃の部数に

まで減るんじゃないか?

わしが連載していた頃は「こち亀」も始まって、ものすごい

勢いで部数が伸びていた時期だった。

600万部くらいが上限で、その後、急降下し始めたようだ。

 

ジャンプでそれなら、マガジン、サンデー、チャンピオンは

どうなっているんだ?

わしの『戦争論』や『天皇論』の部数より低いかもしれない。

 

中間層が崩壊して、低所得層が増えたことで、漫画を買う

余裕もなくなったという原因もあるし、なによりスマホの

普及が大きい。

スマホでカネと時間を食いつぶしてしまうから、どんどん

馬鹿になっていく。

電車内でスマホに耽ってるよりは、漫画読んでた時代の方が

はるかに良かったはずだ。

 

漫画を読む者は一般書籍も読む者だったし、リテラシーが

まだ健全に発揮されていた。

スマホになると情報とコミュニケーションのみになるから、

馬鹿になるしかない。

恐ろしい時代になった。

 

漫画が歌謡曲のように衰退するのかどうか、わしはそうは

させないと思ってしまうのだが。