小林よしのり

保守のためのリベラル

小林よしのり

日々の出来事
2017年 8月 25日


牛乳石鹸のCMは男の沽券が消滅していく時代に戸惑って、

もう父のようには生きることが出来ない寂しさに耐える男を

描いているのだから、目くじら立てるようなCMではない。

洗い流すのは男の沽券であり、それは時代に適応しようと

いう決意だろう。

 

男の沽券に同情的な女性もいれば、そんなもの要らんという

女性もいるわけで、そんなもの要らんという女性の中にも、

高倉健なら許せると思う人はいるはずだ。

 

ただし、中産階級で昭和のマッチョイズムに憧れながら、

ゴミ出しする自分に幻滅を感じるような男が、個室に籠れば

ネット右翼として天皇の男系固執や、男尊女卑や、排外主義

を煽っているのだから、わしはあのような男に同情はしない。

 

わしのように私生活で昭和的な生き方を貫く男に対して、

彼らは嫉妬するしかないだろう。

そのわしが「保守のためのリベラル」を主張するようになって、

一番ついてこれないのは、父殺しをしていない未熟な男たちだ。

時代の変化に踏ん切りがつかない中途半端な男たちが、わしを

左翼化したと言いながら、自分の視界から消したがる。

勇気がない連中なのだ。