高森明勅

一人前の国家

高森明勅

2017年 6月 21日

国民は、日本が一人前の国家になることを望んでいるのか、どうか。

一人前の国家は一人前の軍隊を持たねばならない。

一人前の軍隊を持つには、今の憲法(特に9条2項)

改正しなければならない。
もし国民が、
日本が一人前の国家になることを本当に望んでいるなら、
9条2項の改正などたやすいはずだ。

逆に一人前の国家になることを望んでいないなら、
憲法をどういじろうと全く無意味。

にも拘らず、国民の自覚も覚悟も問わないで
むしろ極力それにタッチしない形で)、
憲法改正の体裁だけを整えようとしているのが、
安倍首相の自衛隊「加憲」論。

これまでの騙しと誤魔化しの延長線上に、
憲法まで据えようとしている。

一人前の国家は一人前の軍隊によってのみ支えられ、
一人前の軍隊は一人前の国民によってのみ支えられる。

一人前の国家でも国民でもないのに、
為政者がわざと一人前であるかのように思い違いをさせるのは、
最悪だ。