高森明勅

剣璽等承継の儀には男性皇族だけ?

高森明勅

2018年 3月 17日

皇太子殿下のご即位に伴って最初に行われる儀式が
剣璽等承継の儀」。

今上陛下の時(昭和64年1月7日)に供奉(ぐぶ)した
皇族は男性だけだった。

これは旧「登極令」附式(明治42年)の
規定(親王・王に限定)を踏襲した為。

政府はこれを、皇位継承資格を持つ皇族に限った、と説明した。

だが、そうした「限定」を設ける根拠は薄弱だ。

古い男尊女卑の感覚を残した形と言わざるを得ない。

にも拘らず、来年5月1日に行われる儀式でも、
その形のままだとか。

同儀は皇位継承の事実を改めて銘記し、
その厳粛さを実感できる貴重な場面。

なのに、新しい天皇をお支えする、
皇后をはじめ全ての女性皇族を、
ことさら排除するのは
奇妙ではないか。