小林よしのり

「新・堕落論」の意図

小林よしのり

日々の出来事
2018年 1月 28日


人の感想を限定したくないから『新・堕落論』の意図を

言うまいと思っていたが、トッキーが報告してくれた

読者感想に感激したので、ひとこと言っておきたい。

 

『新・堕落論』はトッキーがブログで書いたように、

文学と哲学から現代を分析する本です。

 

なぜそうしたかと言うと、ネットという「近代合理主義」

の浸透によって、「感情の劣化」が進んでいるからです。

 

大人の間では、「大学に人文学科は要らない」と主張する

者が現れている始末で、経済的利益に直結しない学問は

排除される勢いです。

 

しかし、国民が歴史の中で醸成してきた情緒や、一見、

非合理に見える慣習を守るのが「保守」なのです。

それは『新・堕落論』の一章として描いた、

イノベーションとシュムペーターの理論からも、

資本主義の非合理な真実として証明されます。

 

感情が劣化すれば、文学や哲学などの抽象論が理解でき

なくなってしまいます。

抽象論が理解できない人間は感情が劣化するのです。

『新・堕落論』は感情の劣化との戦いです。

果たしてどのくらいの国民に受け入れられるでしょう?