小林よしのり

「SAPIO」が不定期刊行、『大東亜論』未完で終了。

小林よしのり

日々の出来事
2018年 10月 26日

「SAPIO」が不定期刊行になる。事実上、休刊だ。
『大東亜論』は次が11月2日発売、最後が来年1月4日

発売で、未完のままになる。
最後まで描き続けられなかった。
漫画としては、未完の作品はいっぱいある。

もう雑誌の年齢層は超高齢化していて、その老人層は
極右化・ネトウヨ化している。
若者が雑誌を読まなくなった。

「HANADA」「WiLL」のように極右化しなければ、
特に言論誌は生き残れない。
「新潮45」は極右化に舵を切ったとたん、杉田水脈の
LGBT差別文章と、小川榮太郎の差別補強文章で、
崩壊してしまった。

「SAPIO」は極右化を徹底しなかった。
まだ良心が残っていたから、少し右向きくらいで、
差別や排外主義を徹底しないで、必死で踏みとどまろう
としていたのだが、それが仇になって終わってしまった。

言論の世界は、極右か極左しかなくなっている。
極左雑誌の読者も老化は激しい。
極左雑誌はほとんど商売にならないのだが。

グラデーションの部分が理解できない読者(老人)が
圧倒的多数になったのだ。
極右の老人と、極左の老人しか、活字を読む人間が
いなくなった。

幸いにも、わしの読者は30代と40代が圧倒的多数で
ある。
ここを核にして、バランス感覚のとれた読者を増やして
いくしかない。