小林よしのり

自分の苦労を訴えても人の心はつかめない

小林よしのり

日々の出来事
2019年 12月 16日

わしは必死だ。わしは真剣だ。わしは誰よりも努力してる
とアピールしたって、人気投票は上がらない。

自分の苦労をいかに他人に分からせようとしても、全く
無意味だ。
同情されて人気投票が上がるなんてことはない。

地獄のような苦しみの果てに生み出した作品でも、人気が
とれるかどうかは分からない。
他人の苦労や努力なんて、人は関心を持たないのだ。

他人に差し出した作品が、面白くて、魅力があって、
ついでにタメにもなったら、人気投票の順位が上がる。
結果としての作品が、他人に好感を持たれなければ、
自分の苦労なんかまったく意味がない。
それがプロの世界だ。

わしはプロになれと言ってきた。
自分の苦労をわからないのかと怒るのは、プロ失格だ。
苦労を感じさせない結果を出すのがプロだ。

他人の心をどうつかむのか?
もちろん、わしの作品が嫌いな人も多いだろうが、
それでも好きな人がはるかに多かったから、66歳に
なってもまだ生きながらえている。

わしの作品を嫌いな人もいるが、好きな人は熱狂的に
好いてくれる。
他人の心をどうつかむのか?
いまもわしはその命題に挑戦し続けている。