小林よしのり

人格は説教では変わらない

小林よしのり

日々の出来事
2019年 12月 2日

人には必ず長所があり、短所があります。
わしも随分丸くなったと人に言われますが、60歳を
過ぎてまだ短所・欠点があります。
一生わしの人格が完成することはありません。
最近ではむしろ「自分が丸くなってないか?尖った
部分がなくなってないか?」と不安に思いますが、
論争の中で右派からも左派からも恐がられていると
気づいたときに、とても安堵します。

「ゴー宣道場」の門下生に関しても、わしは長所を
力いっぱい認めて、それを自由に伸ばしてあげたい
と思います。
短所は時間をかけて治っていくと信じています。
だから軽く冗談交じりに欠点を指摘するに留め、
むしろギャグにまぶして相手に認識させるという
手法を取ります。
わしの仕事のスタッフたちにも、そういうギャグに
まぶしたキャラ立ての手法で、成長を促してきました。

人間は居丈高に説教されても自分の人格を客観的に把握
することはできません。
説教する人の人格にも欠陥があるのに、人格的に自分
が上だと思い込んでいる傲慢さを見抜かれるからです。
長所を伸ばしながら、短所を客観的に気づかせるのが、
わしのやり方です。
それには時間がかかる。
説教して一気に人格が変わるということはありません。

ただし、あまりにも「承認願望」が強すぎて、「公心」
がない人には、わしの手法も通じません。
他人は他人なんだから、親兄弟のように親身になる
余裕がないからです。