笹幸恵

知らない幸せ、知る不幸

笹幸恵

日々の出来事
2020年 6月 19日
世の中には、「知らない幸せ」「知る不幸」が
あると私は思っている。
もちろん、無知を礼賛するわけではない。
知って、考えて、学ぶ。これ人間の成長には必須。
だけど何もかも知ることが無条件に良いとは思わない。

たとえば恋人の浮気。
バレバレだったら、怒りたくもなる。
嫉妬もする。ついでに「もうちょっとバレないように
うまくやれよ!」と二重に腹立たしくなる。
最終的に、三行半を突き付ける。
知ってしまったがゆえの不幸。
好きな相手のことは何でも知りたいと思うのは
恋心としてわかるけれど、知らないほうが幸せ、
ということも世の中にはあるのだ。
知ればいいってもんじゃない。

今日、コロナの接触通知アプリの提供を政府が開始した。
これなど、「知らない幸せ、知る不幸」の典型だ。
「陽性者と接触していた」という通知が届いて、
何になるというのだ?

だいたい、このアプリを使おうなんて人は、
そもそもコロナを怖がっている。
避けたいがために知ろうとする。
だけど、陽性者との接触を知って安心するだろうか。
逆だろう。
多くの人は、不安にさいなまれる。
あー、私、コロナになるかも。
そうやって日々怯えて暮らすのだろうか。
これぞまさに「知る不幸」。

政府は安心材料ではなく、不安材料をばらまいている。
どうかしている。