高森明勅

皇位継承検討の日程

高森明勅

皇室・皇統問題
2020年 5月 11日

共同通信が次のような記事を配信した(5月9日)。

「政府は安定的な皇位継承策を巡り、昨秋に始めた
非公式の識者ヒヤリングを終えた。
女性・女系天皇と、男系維持に向けた旧宮家(旧皇族)の
皇籍復帰の是非を軸に10人以上から聴取した。
結婚後も女性皇族が皇室に残る『女性宮家』創設を含め、
今後は論点整理に着手する。
…国会は上皇さまの天皇退位を実現させた特例法の付帯決議で
『速やかな検討と報告』を政府に求めた。

天皇陛下の即位から1日で丸1年となったが、
新型コロナウィルスの影響で、本格的な検討は今秋以降に
ずれ込む見通しだ。
国会審議も考慮すると、安倍政権下で結論を出すには厳しい
日程になってきた」

私はヒヤリングの対象から外されたようだ。
安倍首相のブレーンと称する八木秀次氏は、論点整理の
結論は既に決まっていると、以前から繰り返し述べていた。
それが事実ならとんだ猿芝居という話になる。

そんなものには関わりたくはない。
だがヒヤリングの人選が、問題の根本的な解決を目指す
私のような考え方を、政府が排除したがっているのを
意味するのなら、事態は楽観できない。

皇位の安定継承については、両論並記で先延ばし。
皇族数の減少についてだけ、目先を誤魔化すようなポーズを取る。
そんなシナリオも見え隠れする。
それさえ、新型コロナウィルスの影響で「安倍政権下で結論を
出すには厳しい日程になってきた」という。
政治の場に、皇室の存続に直結する最重要課題という
自覚そのものが、欠けているのか。

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