笹幸恵

震災から10年・・・。

笹幸恵

日々の出来事
2021年 3月 11日
東日本大震災から10年。
メディアはコロナ一色だったのが、
「震災10年」一色に。

ただ、いつも思うのは、被災者にとっては
10年だろうが何だろうが関係がない、ということだ。
数字としてキリがいいから「10年の節目」などと
表現され、これがまた人々の耳目を集めるのだけど、
本当はそうじゃない。
10年目を迎えたから何かがガラリと変わるわけではない。
今日は昨日の延長であり、今日は明日へと続く。
歴史には残らない少しずつの変化の積み重ねがあり、
振り返ってみたとき、ようやくその違いに気付く、
というのが本当だろう。

「戦後」も同じ。
毎年、8月になると戦争特集、
70年とか75年とか、キリのいい数字になると
その年めがけて報道されるようになる。
兵士たちにとって、遺族たちにとって、
失った友や肉親への思いが75年の節目を境に
ガラリと変わることはない。

もっとも、書く側にいる人間にとって、
この節目のときを狙わざるを得ない、というのも
現実としてあり、忸怩たる思いがする。

14時46分、震災で亡くなった方々に黙祷を捧げます。