笹幸恵

女性天皇賛成、女系天皇反対論者は究極の差別主義者である。

笹幸恵

皇室・皇統問題
2021年 12月 26日
昨日の生放送で話題にのぼった、女性天皇賛成、
女系天皇反対論者のロジックをあらためて考えてみた。

※女性・女系の違いとは
愛子さまは父親が天皇だから「男系」の女性天皇、
その愛子さまから生まれたお子様は、即位された場合、
母親が天皇だから「女系」の天皇となる。

高市早苗は、月刊文藝春秋で次のように述べている。

仮に愛子さまがAさんという民間の男性と結婚され、
第一子に女子が誕生して天皇に即位されると、
「女系(母親もしく母方の先祖が天皇)の女性天皇」
となられます。
この天皇の男系の祖先はA家、女系の祖先は小和田家
(雅子さまの父親の姓)ということになります。
最初は男系の女性天皇、次に女系の女性天皇とすると、
二代で男系の祖先も女系の祖先も民間人ということに
なってしまいます。
(中略)
男系の祖先も女系の祖先も民間人ですという方が
天皇に即位されたら、「ご皇室不要論」に繋がる
のではないかと危惧しています。

これを家系図で表すとこんな具合。

青が男系、オレンジが女系。
女系女性天皇にとって、男系祖先はA家となり、
女系祖先は小和田家になる・・・・って、なるか????

そもそもこの家系図には大きな矛盾がある。

①女系を辿り続けるなら、皇后陛下の母親にあたる
江頭家に行かなければおかしい。なぜここで男系の
小和田家に着地するのか。

②女系女性天皇にとって祖母にあたる皇后陛下のところで
小和田家に着地するなら、
母にあたる愛子さまの男系祖先を辿るほうが自然であり、
そこは当然、天皇家となる。

③これをスルーしているということは、
家=姓という観念しか持ち合わせていないからではないか。
天皇家には姓がない。そのことに気づいていないから
皇后陛下のご実家である小和田家(女系女性天皇に
とっては曽祖父)に着地するのではないか
(そうでないと説明がつかない)。

④いや、じゃあ江頭家でもいいよ、どっちにしても
祖先を遡ったら民間人になるじゃないか、
だからダメなんだという人がいるかもしれない。
だとするなら、そもそも男系の女性天皇OK、
女系天皇NGというロジックは成立しない。
愛子さまが天皇になった時点で、女系を辿れば民間人。
したがって女性天皇にもNGと言わなければ辻褄が合わない。
詭弁である。

⑤いやいや、男系の女性天皇は過去にもいたし、
結婚もせず、次の男系男子に皇位を譲った、
つまり「中継ぎ」としてはOKなんだと言うかもしれない。
それならば、高市早苗はこう明言すべきだ。
「男系の女性天皇は賛成します。愛子さまはOKです。
ただし愛子さまは生涯独身でいなければなりません。
万が一お子様が生まれたとしても、そのお子様は
皇位継承権を持ちません」


まとめ:
ムチャクチャだ。
男ならば結婚してそのお子様(男)は皇位継承権を得る。
ところが女ならば、生涯独身を強いられ、たとえ子供が生まれたと
しても男女問わず皇位継承権はない。
ただ女というだけで!!!
これぞ究極の男女差別ではないか。
どれほど残酷な主張をしているか、少しは頭を使って考えろ。



男系原理主義者が無理と屁理屈をこねくり回さずとも、
多くの国民はほとんど無意識のうちに、常識的な家系図を
描いている。直系を表した家系図はこちら。誠にシンプル。



男系を主張する者は、天皇という地位より
「血筋」を重要視している。
天皇としてどう在ったか、そのことは念頭になく、
ただ「血統=伝統」と言い張っているのである。
それは象徴天皇の在り方を模索し続けた上皇陛下の
なさりようを真っ向から否定するものだ。
なぜそれがわからない。
そんな人がよく皇室への敬愛だの尊皇心だのと言えたもんだ。
血統が日本の伝統? ろくでもないね。