笹幸恵

「『女性天皇』の成立」の読みどころ。

笹幸恵

皇室・皇統問題
2021年 10月 9日
高森先生のご著書『「女性天皇」の成立』読了。
ひとことで言って、皇室問題についての復習と
頭の整理にはコレ一冊!!! という印象。
とりわけ「象徴」について考察されている第4章が
とても勉強になりました。

「日本国民統合の象徴」として行う行為は
ネガティブリスト、
「言われたことを言われた通りにやっていればいい」
のではない。つねに考えて主体的に行う。
何が正解か、答えなどない模索の道。
上皇陛下はそれを「全身全霊」で
取り組んでこられた。
それゆえの国民の反応・・・。
高森先生がこれを「奇跡」と記された一文に、
じ〜〜〜んと来ました。

そして男系原理主義者の主張をことごとく
ロジカルに論破しているのも読みどころのひとつ。
元正天皇は、当時の法規範からしても女系天皇。
もうこれだけで「過去に例がない」などとは
言えなくなる。

元正天皇は草壁皇子と元明天皇の子。そもそも
皇子を介して天武天皇につながっているとするより、
元明天皇の子(=女系)とするのが自然ではないか。
似たようなことを私は以前、ブログで書いたような気が
するのだけど、高森先生はそれを当時の法規範から
きちんと点検して答えを出してくださった。

天皇である女より、皇子である男を重視するのなら、
それは天皇か否かというより、
男か女かを優先させていることになる。
立場より性別重視。だから男尊女卑といわれるのだ。

象徴天皇制が「象徴」であるがゆえに抱える危うさ、
それは現在の眞子さまバッシングにもつながっている。
もういい加減、国民がきちんと関心を持って、
主体的に議論しなければならない時期に来ている。

明日の岡山道場は、そのキックオフともいえる
会になるのでは?

皆様、岡山でお会いしましょ〜。