笹幸恵

写真展へ。

笹幸恵

日々の出来事
2023年 6月 25日
日本カメラ財団が主催する写真展
「日本の断面 1938−1944
ー内閣情報部の宣伝写真ー」を見てきた。
戦時中、国策宣伝のためのグラフ誌『写真週報』に
掲載された写真のほか、銃後の国民生活や
学徒動員の写真など。


『写真週報』は、いつもデジタルコレクションを
あれこれ検索して見ていたのだけど、
今の技術でプリントされた写真だと、
モノクロながら鮮明で圧巻!!

武漢で飯盒からご飯を食べる兵隊さんの歯の白さよ。
防毒マスクをつけた写真のアングルの素晴らしさよ。
仏印での写真は熱帯の日差しの厳しさまで伝わってくるようだ。

かと思えば、銃後の国民の何気ない日常。
日本橋高島屋に写真展覧会「第2回思想戦」の
看板がでかでかと掲げられていた。
これから先、日本橋高島屋にこうした戦意高揚の
看板が掲げられることはあるのだろうか。
日常に入り込んだ、異質な空気。
あ、「ソーシャルディスタンス」とか
「黙食」といったポスターが
あちこちに掲げられていた1年前と変わらんか?

絵本『かわいそうなぞう』を読んで育った私は、
上野動物園の象の写真が切なかった。

そんなわけで、こじんまりとしていますが
いろいろな思いが交錯する写真展でした。
7月2日までやっているそうなので、興味のある方はぜひ。