小林よしのり

情熱と老化の相克

小林よしのり

日々の出来事
2024年 3月 18日

テレビで矢沢永吉の特集を見た。
74歳らしいが、圧倒的な歌唱力だ。
声も歌唱力も全く衰えていないが、それでも74歳だから
体力は減退しているのだろう。
全国ツアーをあと何回やれるか?
あと1回は絶対やりたいとか、自分の限界を考慮しながら、
歌に対する情熱の始末の付け方を考えている様子だ。

わしの心境に似ている。わしもあと何年生きられて、
何年元気でいられて、どこまでやれるのかを考え、
悔いのない表現活動をやっておこうと、焦っている。

西部邁が保守思想のまともな弟子すら育てられず、
孤独の中で自死を選ぶしかなくなった末路を見ると、
わしはせめて、真っ当な思想の種子だけは、門下生や
読者に撒いておこうと焦ってしまう。

いつかどこかで発芽して、この「戦後民主主義体制」を
瓦解させる者たちが現れるかもしれない。
その前に日本が滅んでしまわないかが不安なのだが。
希望を次世代に託して、個人的な表現活動の野望に邁進したい。

そのために読まねばならぬ本もいっぱいあるから、カンヅメ
して読み耽りたいのだが、外国からの観光客が多すぎて、
良いホテルは満室だらけか、宿泊費が高くなりすぎていて、
カンヅメもできない。
おのれ、観光客め、邪魔立てしやがって。
死ぬのは恐くないが、やり残しが多すぎて悔いが残るのは
悔しい。
完全燃焼で、真っ白になって死にたい。