小林よしのり

「セクシー田中さん」の原作者と製作陣の齟齬は、わしの場合はない。

小林よしのり

日々の出来事
2024年 1月 30日

「セクシー田中さん」の作者・芦原妃名子さんが、
テレビドラマの制作者とトラブって、自殺してしまった
らしい。
原作に忠実に脚本を書いてほしかったらしいが、よほど
繊細な人だったのだろう。

だが、原作者が自殺なんかしたら、ドラマ化で関わった
人たちが、俳優まで含めて全員、嫌な思いをするに違い
ない。
その人たちも含めて気の毒である。

わしの場合は『おぼっちゃまくん』の製作陣が、インド側
も含めて、本気で『おぼっちゃまくん』を愛してるし、
安心して任せておれる。
プロットから脚本になるまでの過程をわしがチェックして
いるし、決定稿がやってきても、このままOKするのは
マズいと思えば、わしが最終的にボツを出す権限もある。
ボツを出しても、めげずに脚本家は挑戦してくる。

わしがシナリオに入れた赤字による感想や修正は、全員で
共有して、読んでくれている。
そもそもわしは『おぼっちゃまくん』をわしの死後も
創作できるようにしたくて、創作のコツを全部教えよう
としてるから、普通の原作者と動機が違っている。

『おぼっちゃまくん』は特殊なギャグ漫画だから、他人が
描くのは不可能と言われていたが、わしは右半球の発想を
左半球の論理に転嫁させるのが得意だから、創作のコツを
伝授するのは可能だと思っている。

そりゃあわしが描いた漫画原作なら、100%他人に伝えられ
ようが、脚本だけで伝えるとなると、そこまでは望めない。
それでも創作能力は、脚本家や、インド側のアニメーター
にだってあるのだから、全員の才能で補完してくれれば、
全く新しい『おぼっちゃまくん』の創作も可能だろう。

まずはインドの4億人の子供たちを楽しませる!
こんなやりがいのある仕事はない。
国家を超えたチームによる総力戦で挑む!