笹幸恵

属性人気の首相に要注意

笹幸恵

2026年1月23日 18:23

「戦争と日本人」について思うところをつらつら。その③は、「属性人気の首相に要注意」である。

今日、通常国会の冒頭で衆議院が解散した。

「高市政権が掲げる政策や連立政権の枠組みについて、国民に正面から問いかける道を選んだ」と説明しているが、「サナ活」に代表されるような支持率の高いうちに足元を盤石にしておきたい、統一教会との関わりも政治とカネの問題も、全部ひっくるめて選挙騒ぎでウヤムヤにしてしまいたいという内心が透けて見える。スケスケ過ぎて、国民をバカにしているとしか思えない。

「オールドメディア」は消費税減税など生活に直結する政策しか取り上げないが、高市を支持するかどうかは、もっと大きな、それこそ国の根幹に関わる選択だ。

裏金問題は少しもケジメがついていないが、そのまま忘れ去っていいのか?

反日宗教団体とズブズブの関係にある自民党に舵取りを任せていいのか?

皇統の男系男子に固執するゴリゴリの男尊女卑で、天皇制そのものを破壊しようとしている高市自民党で本当にいいのか?

そもそも「初の女性首相」ということで脚光を浴びたが、やったことといえば、トランプと腕をくみ、米空母で飛び跳ね、軽率な発言で中国との緊張を高めただけではないか。

いろいろなことが起こりすぎて、もはや過去の話になりがちだが、就任直後の「台湾有事は日本の存立危機事態」発言で、中国は態度を硬化させ、昨年末は空自戦闘機がレーダー照射される事案が発生した。東シナ海での中国軍機の往来は活発化し、中国は軍事演習で台湾への威嚇を続けている。

「女だから正しい方向に導いてくれる」なんてあり得ない。

「女だから戦争はしない」なんてことも、あり得ない。

「女だから期待する」なんて、あってはならない。

属性など、何のアテにもならない。

ちなみに私が高市の「存立危機事態」発言で想起したのは、「国民政府を対手とせず」という第一次近衛内閣の声明だった。日本の南京攻略後も抵抗を続ける国民政府に対し、和平交渉を自ら打ち切る形になってしまった、あの有名なフレーズである。

公家出身で、若くてクリーンなイメージを持つ近衛文麿は当時、大人気。

ただ、いざというとき芯がなく、優柔不断。意見をコロコロ変える。

ジャーナリストとして活躍した清沢洌は、戦時中に書いた日記(戦後に『暗黒日記』として発刊)の中で、近衛の優柔不断ぶりを痛烈に批判している。 支那事変は長引き、日本は消耗し、南進政策を進めたことで英米と対立。忘れてはならないのは、国家総動員法の制定や大政翼賛会の発足など、日本が戦時体制へと変わっていったのは、いずれも第一次・第二次近衛内閣のときだということだ。

「公家出身だから正しい方向に導いてくれる」なんてあり得ない。

「公家出身だから戦争はしない」なんてことも、あり得ない。

属性など何のアテにもならない。

むしろ属性に引きずられてしまうと、目が曇る。

めちゃくちゃ難しいことだけど、「法の支配」ではなく「力の支配」に変貌しつつある国際情勢の中で、誰に日本の舵取りをさせるのか、とことん考えなければならない。

「サナ活」なんかしている場合じゃない。

「女性」だからといって何もかも免罪してはならない。