高森明勅

ご近所の奥様方に白眼視された話

高森明勅

2012年 5月 19日
昼間、我が愛犬むーすけ(白のポメラニアン、高森ウィンドウズのオープニングに一瞬、出演)の散歩に出かける。

お隣とその向かいの奥さんが、我が家の勝手口の前で立ち話中。

見たところ、かなり前からそこでお話しされていた模様。

いつも通り「こんにちは」と快活に挨拶した。

つもりだったが、何故かお二人とも、不審人物に出会ったような、ぎこちない応対ぶり。

(あれっ?)と思いながら通り過ぎた。

謎が解けたのは、散歩を終えて、帰宅してから。

勝手口の窓がほとんど全開状態。

今日は気温が高かったので、家内が買い物に出かける前に、開けてくれたのだろう。

家内には珍しく優しい心配りだ。

が、それがアダになるとは……。

実は散歩の前、勉強熱心な私は、小林よしのりさんが絶讚されているアイドルグループ「AKB48」を研究する為に、
柄にもなくAKBのドキュメンタリー映画(最新の平成23年度版)のDVDを見ていた。

我が家には誰もいなかったので、音量はやや大きめで(誰もいないからこそ、堂々とこのDVDを見ることが出来たとも言える)。

しかも、ご覧になった方はお分かりのように、その内容は極めて感動的。

この映画自体について、改めて講釈を垂れたいくらいだ。

しかし、現代を代表するAKB評論家がこのブログを覗くことも予想されるので、そんな身の程知らずなことは勿論、出来ない。

それはともかく、DVDを見ながら、画面に向かって、私はかなり言葉を発していた記憶が(うっすらと)ある。

これも普段はしないことだ。

「たかみな、お前は偉い!」とか、「優子、ここでその笑顔が出来るのか!!」等々。

後は想像にお任せする。

が、AKBの楽曲と私の声援?がだだ漏れで、勝手口の窓から外に聞こえていた可能性は十分、ある。

というより絶対、聞こえていたはずだ。

更にタイミングの悪いことに、DVDを見終わったらすぐに、私はやや高揚した気分で犬の散歩に出かけている。

少しでも時間が開いていれば、お二人も気を取り直す余裕が持てたはずだ。

だが、そうではなかった。

ついさっきまでAKBの画面に語りかける声が聞こえていた本人が、いきなり顔を見せ、いつも通り、のつもりが、
いつも以上に快活な挨拶をしたのだろう。

さすがに世間慣れした奥様方も、露骨に戸惑ってしまったのも無理はなかった。

私はこの年で、いつもアイドルの歌を聞いているわけじゃあないし、画面に語りかけてもいない。

もう一度、外に出て行ってお二人に弁明したかった。

だが、それをやれば、ますます「変なおじさん」になってしまう。

何たること!

これからは、窓の開閉にくれぐれも気をつけよう。

もう手遅れのような気もするが。