高森明勅

これまで気付かなかった無駄

高森明勅

2011年 6月 10日

拙宅から都心に出る時、必ず利用する私鉄がある。

このところ、節電のため、昼間はかなり間引き運転。

なのに、車内はいつもガラガラ。

今まで、どれだけ無駄な電車を走らせて来たのかと思う。

勿論、電車の本数が多ければ、それだけ利用客は便利だ。

でも当然、それだけ余分にコストがかかり、それはしっかり料金に上乗せされているはず。

空気を運ぶために、かなりの電力を消費することで、回り回って、どのくらい経済に活力を与えて来たのか、来なかったのか。

それは知らない。

しかし、そうした馬鹿げたことは、いい加減よした方がいいと、素朴に思う。

昼間走る電車の車内が日差しで明るくても、煌々と電灯で照らされていることは、今でも多い。

電力消費を抑える新技術の開発も勿論、大切。

だが、ほんのちょっとの不便なんて平気で呑み込んでしまうような社会は、つい近頃まであったのではないか。

それを取り戻したい。