高森明勅

旧宮家系国民男子の皇籍取得をリアルに考えてみた

高森明勅

2013年 4月 12日
女性宮家に反対する人たちは、
どうやって皇室の存続を図ろうとしているのか?

唯一の方策は、旧宮家系国民男子の皇籍取得だ。

だが旧宮家系国民男子で未婚の成人は、
これまで知られている限り、僅か4人。

その中の1人は、既に50代。
秋篠宮殿下より年上だ。

こういう人の皇籍取得は、ちょっと考えにくいだろう。
更に、これまで政治的発言を繰り返して来た人物が1人いて、
本人も明確に皇籍取得の意思がないことを表明している。

となると事実上、皇籍取得の対象たり得るのは2人だけだろう。
その中の1人は、以前勤務していた電通を退社し、
自分で立ち上げたゲーム会社も解散しているようだが、
韓国では有名なプロのゲーマーとかで、
織田信長の生まれ変わりと称するかなりユニークな人物らしい。

国民男子としては、有能で魅力的かも知れない。

だが、果たして皇室の一員としてはいかがか。

この人物を除外すると、あとは、
自動車販売会社に勤めていると伝えられる
30代前半の1人(父親も国民として出生)のみ、
ということになる。

彼に皇籍取得の意思があるのか、ないのか。

また、資質・経歴などの面で皇族たるに相応しい人物なのか、
どうか。

今のところ一切、不明だ。

女性宮家を全否定して、この1人に全てを賭けるというのは、
普通に考えると、危険この上ないことではないか。

しかも、仮にこの人物が皇籍を取得しても、
内廷のほかに、たった1つの宮家が確保されるに過ぎない。

それで、側室なき一夫一婦制の皇室が、
「男系」限定で末長く存続できると楽観できるだろうか。

勿論、無理だ。

皇室の存続を図るには、机上の空論を排した、
リアルな思考力が求められる。